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ふとテーブルに手を載せる

執筆者の写真: Nagashima KazuhiroNagashima Kazuhiro

2008年橋出血発症の右片麻痺の方なのです。

先日(2023年11月)に来られたときのこと。

冬になって手が硬くなって伸びにくいという訴えで、伸ばすための自主練習などを獲得することと、曲がりにくい手にするために麻痺側下肢の支持性と、非麻痺側側の運動性の協調性を改善する目的でアプローチしていたときでした。

端座位で、ボバーステーブルを前方から近づけると、左右の手をそれぞれ単独で、ふとテーブルの上に載せられたのです。


これは凄いことなのです。


通常、麻痺が強い場合、麻痺側の手を非麻痺側で持って移動させるとか、麻痺側の手を動かすにしてもかなり意識(注意)を麻痺手に持って行って動かすとかといったパターンになりますし、多くは非麻痺側の動きが先行するのです。


動画は、再現をして欲しいと頼んだ後なので、かなり注意が右手に云ってはいますが、それでも凄いのです。


ちなみに、4年前〜「セラピースペースながしま」を起業した頃には、仰臥位で手のプレーシングをしていると、手がこんな風に動くなんて初めてだと驚いておられた記憶があります。この時の動画はないのですが・・・(撮っとけば良かった!)

それでも、その時は、手をテーブルに挙げるのは、非麻痺側の手で持ち上げておいででした。


この頃は、まだ麻痺側肩関節に少し亜脱臼が有りましたが、現在は改善しています。


経過の中で、麻痺側の手をテーブルに載せると云うことをしたことはありますが、多分それから何百回、何千回と日常的にその動作を繰り返されて学習され、かなり自動的な応答として運動出力プログラムの中に、環境に対する動作プログラムのバリエーションとして記憶されていき、自動性を獲得してきているのだと思います。


そして、最も素晴らしいことは、右手自身をテーブルの上に載せるという動作を獲得し、以前、非麻痺側の手で持ち上げていたことを忘れておいでだったこと。


人は学習が進むと出来なかったときのことは結構いろいろ忘れるのですよ。

ほら、自転車に乗れるようになったら、なんで自転車に乗れなかったのかなんて、思い出せなくなるでしょ?

(*^_^*)






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