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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

いんすぴゼミ_2022年2月7日




前回までの流れです。

人間と動物は何が違うのか?人間らしさとは何か?等を

芸術〜意識などとはなしが展開して、今は最後の第9章、肉体などは必用か

脳や身体の制約を超えて人類はどのようになっていくのか?

テクノロジーを使って身体を拡張してきて、近年脳の機能自体の拡張がテーマになっているけど、それらにはなぜか論議が起こっている。人工内耳/人工網膜などはすでに実用化されつつあって、それをBCI(BMI)と呼んでいる。

脳波をとって、動きを作ることは難しそうだけど、脳波からなにかをしたいという情報を読み取ってそれを実現するのはできはじめている。


で、今回「脳は身体なしに心にはなれない」というところからです。

ロボット工学は私が思っていたより進んでいるようです。マサチューセッツ工科大学では、キズメットという社交的なロボットを製作しているようです。

キズメットは内的要因をプログラムされていて、さみしかっり退屈だったりすると反応を変えるようです。動く対象に注意を払っているときは追視を起こします。例えばさみしければ辺りを見回して人を探したり、退屈になれば明るい色を探し始めるという具合らしいです。既に環境に対して反応するようになっているわけです。それらの内的環境/外的環境に対して起こす行動を情動と呼ぶべきかどうかと言う論議があるようです。情動と考えるべきだという立場の人もいるし、それはシュミレーションだという人もいるわけです。


ここで私が思うのは今までの流れで言えば右脳の自動的な情報処理によって起こる行動選択は無意識下のもので、左脳の解釈装置がそれに解釈を加えているわけですから、人においても右脳の情報処理を左脳が擬人化していると表現することが出来るのではないかと。つまり、ロボットの情報処理も自動的ですが、それを見てそれを情動と見るか情動のシュミレーションと見るかと言う論議は、結局ロボットを観察した人の左脳がロボットを擬人化しているのであろうと推測できるので同じではないかと。

つまり、人は自らを擬人化し、同様にロボットも擬人化しているのではないかと考えることが出来るように思うのです。

なんだか怖いですね。

しかし結論的には身体があるから心があると言うことになってます。この結論には同意します。動くからこその人であり、意識だと私は思っています。だから、身体の動きの制限は意識や情動の制限につながると私は個人的に考えています。


ちょっと毛内先生から犬の話題が出ていました。

道を歩いているときに小さな犬を見かけたそうです。その小さな犬は自分と同じような小さな犬には吠えるけど、おおきな犬とか人には吠えなかったそうで、その小さな犬には他者から自分がどのように見えているのか解っているのか?自己意識があるのかというようなことを考えながら見ておられたそうです。面白いですね。


さて、本は意識のある機械は出来るのかという話題に。AIは意識を持ちうるのかと言うことです。ミラーニューロンの働きをプログラムされ、ある程度環境に対して学習でき、それに応じて反応を変えることの出来る機械。これに意識と呼ばれるものが存在することが出来るのでしょうか?

読み進めた結果、私の意見としてはやはり出来ないと信じたいですね。

本でも紹介されていたのですが、行為を行う際に予測が必要になるという話が出ていました。確かに予測がなければ環境に対して適切なタイミングで適切な行為を出力することは困難でしょう。

それらを実現するためには単にコンピューターを並列処理させるだけではなく各領域(システム)が相互的に影響し合うような処理システムを持つ必要があります。そしてそれは行動に対して結果的に得ることが出来る報酬に反応して自動的に回路を変更するようなシステムのなかで相互的な情報処理システムを実現する必要があると思うのです。

それらが人に特有の「空気を読む」といった反応を実現するためには必用です。

その為には行動を起こし、快適か不快かを感じ取る身体システムが必用です。

ですので、少なくとも現状では意識を持つAIは出現しないと私は考えています。

ただ、現状ではと言うことになります。将来、相互的なネットワークを実現し、報酬系をもつ身体構造を持ち得た場合には意識という存在が宿るロボットが出現するかも知れません。

それは、なんとなくターミネーター2の世界を想像させるので、そうならないことを願ってはいるのですけれど。


まとめると、意識とか心というものは結局脳から身体の構造を含むすべての情報処理システムの結果を表していると言って良さそうだと思います。

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