いんすぴゼミ_11月29日



前回に引き続き、ガザニガの「人間とはなにか」第7章誰もが二元論者のように振る舞うという章です。

この章では、"心と身体"といった二元論が正しいか否かではなくて、なぜ、二元論でとらえてしまうのかと言った話題を取り扱っています。

なぜ、心と体は別々という信念を持ってしまっているのかという事について、直観的生物学・直観的物理学・直観的心理学・その他領域などの切り口から考えて以降という構成になっているようです。

直観的〜学という名称がほぼ初見でしたので、興味深く話をお聞きしました。


ちょっと話が脱線しますが、この本とても読みやすいです。難しい表現はなくてウイットに富んだ表現が多く印象深く読ませていただくことが出来ます。いんすぴゼミでは毛内先生の経験や思いなども一緒にお聞きできますので、とても楽しい時間を過ごすことが出来ます。


さて、今回は直観的生物学の章でした。

生物学とは分類の学問だそうです。(正確には違うかも知れませんけど)

大学では、「生物って何だろう?」と言った話題を最も初めに持ってくることが多いそうです。生物の定義/分類ですね。


さて、本では生物と非生物を識別する能力はなにかと言うような話題から始まります。人を含め、動物は外的環境の中で適応していくため様々なものを知覚する必要があります。生物/生物以外とか、生物の中でも自分にとって危険な生物(捕食者)/危険ではない生物(非捕食者)などを識別できなければ生物は生存していくことが出来ません。

そのメカニズムはどのようになっているのでしょう?実はメカニズム自体ははっきり解っていないのです。ですが、人には「本質」といわれる物を分類する能力があるとしています。しかも自動的に。


本文より

「ある思考法が私たちにとって馴染みやすいとしたら、私たちはその方法で思考するように作られた認知メカニズムを持っていると考えても、おおむね間違いは無いであろう」


であれば、この本質と言われる性質を自動的、しかも素早く行う思考法(能力)というのはどのような物かという話になっていきます。

興味深いことに、蛇(蛇は多くの動物に嫌われているらしいです。もちろん私も嫌いです。)や、虎のように目が顔の前の方についていて口から牙が飛び出しているような特徴の危険な生物の識別は後学的な物ではないようです。考えてみれば当たり前ですがこれらの危険な生物を直観的に素早く識別/分類でき無い生物は、それらの動物が存在する環境では生存し繁殖することは出来ないですから、それらをみたことがなかったとしても危険だと識別分類できる生物だけが生き延びていることになります。

これらの識別/分類システムは生物が持つ長い歴史の中で遺伝的に発達させてきたシステムだと言うことができるようです。

ちなみにこのとき、なぜ多くの人がゴキブリを嫌うのかという話が少し出てました。恐竜が絶滅したあと、私たち人類の祖先と彼らが熾烈な生存争いをしていたのではないかと言う仮設をお聞きして、ちょっと面白かったです。(^^;


さて、そういった情報を読み進めると、生物として生存していくために利用される素早く自動的に識別/分類する情報処理システムは私たちにとって馴染みやすく、私たちはその方法で思考するように作られた認知メカニズムを持っているということになります。

上の例で言えば、危険か危険でないかと言った「二元論」です。


私はここまで読んで、なんだかモヤモヤしています。

ヒトの脳の処理システムその物や、人の行為の選択、運動や感覚のメカニズムは二元論では説明できません。認知と行動とか感覚と運動などといった分類からは説明しきれないことは今まで脳のことや運動のことを考えた人ならば共通する認識なのだと思います。論文や成書でも感覚と運動ではなくて感覚運動と表現されたりするような本も増えてきているのはそういった事を示す変化であろうと思っています。

しかし、人が二元論でしか理解できないのであれば、人は人の脳や行動を理解することはできないと言うことになります。或いは、人の動きを複雑系として理解できたとしても、それを他の人に伝える際には二元論を用いることが必要かもしれないというジレンマも生じてきそうに思います。


ただ、この本は二元論で書かれている物ではなさそうです。

ですので、今後の話の展開から目と耳が離せません。

(*^_^*)


写真は「空と地」二元論的ですよね。


二元論で有名な物

陰陽思想:光と闇・昼と夜・男と女・剛と柔

古代インド:主観と客観・精神と外界・思考と対象・意識と無意識・自我と非自我

等らしいです。


リハビリテーション医学のなかで私が二元論として感じる物は

感覚と運動・知覚と認知・意識と無意識・姿勢と運動・脳とこころ・脳と身体・中枢神経と末梢神経・求心路と遠心路・手と足・体幹と手足・機能と能力・評価と治療


こんなところでしょうか。脳の中身になるともっとありますけど・・・



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