Nagashima Kazuhiro

2019年10月22日1 分

ABA実験デザイン

EBMでのエビデンスとは大雑把に言えばランダム化比較試験(RCT)とそのメタアナリシスによる統計処理の科学性に基づいた根拠のことを指すようです。ところが、脳生理学や解剖学では、血管の走行に個人差が大きいことや、脳の機能的部位も個人差が大きいことが知られてくるようになり、統計処理をする際の母集団のとり方が難しいように思います。例えば中大脳動脈(MCA)、あるいはもっと細かくM2での梗塞といっても、他の血管から血流が回ってきてたりとか、回復には個体差が生じるわけです。それを一様に同じ技術でどのような変化が起きるかを見ても、技術自体を統一できたとしても母集団のあり方に問題があればその統計処理された結果の信頼性は低いのかもしれません。それと比較すればシングルケーススタディのほうがリハビリの効果の尺度としては適していると思うのですが、ABA実験デザインなどに表されるシングルケーススタディは個人情報の観点からもなかなか多くの発表があるとは言えない状況です。

リハビリの治療効果の尺度としてEBMでいうエビデンスは親和性が乏しいものと思うのですが、だからといって他に何があるのかという難しさがありますね。

    230
    0